ARTIST 西田 香代子 刺繍作家 | AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT

ARTIST 西田 香代子 刺繍作家

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阿寒湖アイヌコタンで活躍する刺繍作家。
結婚を機に阿寒湖アイヌコタンへ移住し、義母や近所に住むフチ(おばあさん)よりアイヌ文様の刺繍や着物の縫い方を教わる。23歳より自らも刺繍を始め、義母の仕事を見ながら数をこなす。そのうちに自分で文様を描けるようになり、刺繍や着物を縫う技術も磨かれた。
現在は、受け継いだものに自分の色を足しながら伝統を引き継ぎ、刺繍づくりの活動を続けている。

手に取る人を思い、針を進める。着る人を思って着物を縫い、魔除けの意味があるアイヌ文様を刺繍する時には、その人に何事もないようにと願いながら一針一針丁寧に進める。綺麗にではなく丁寧に。心を込めて作らなければ、どんなに素晴らしいものでも良いものにはならない。
デザインのインスピレーションが湧くのはいつも自然の中。森を歩く中で出会ったブドウのツルの形、紅葉した葉の色、デザインも色の合わせ方も、すべて自然が教えてくれる。山から学ぶことで生まれる作品がたくさんあるのだ。

阿寒湖アイヌコタンを昔から見てきた西田さんが手がける作品は、美しいアイヌ文様が入った着物だ。柔らかな線で描かれた独特の文様が見る人を惹きつけてやまない。
西田さんは、阿寒湖アイヌコタンでは今も昔同様、まるで家族のように助け合いながら暮らしているという。アイヌ文様を刺繍するときに、謙虚な気持ちで行うのもこの精神が関係しているのであろう。布を作った人がいて、糸を撚った人がいる。そのような人たちの力を借りて、自分は少し手を加えるだけ。一つの作品を仕上げるまでに、たくさんの人が力を貸してくれていることを決して忘れない。

Profile

結婚を機に阿寒湖アイヌコタンへ移住し、義母などの刺繍仕事を見て技術を習得する。現在は、アイヌ舞踊の活動をする傍ら、アイヌ文様の刺繍づくりや後世の育成を行っている。2001年北海道アイヌ協会より、優秀工芸師の認定を受ける。
◆1998年 第31回北海道アイヌ伝統工芸展 北海道知事賞
◆1999年 第32回北海道アイヌ伝統工芸展 審査員特別賞
◆2001年 第34回北海道アイヌ伝統工芸展 優秀賞(かでる賞)

Info.

チニタ民芸店

北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-25